伊豆の国『平成の道』の概要と目的
伊豆の国『平成の道』三十三観音巡礼
 平成14年7月頃、兼務している龍泉寺にて、法事が終わり本堂にて一休みしているとき本尊さまをおがまさせてほしいというお年寄りが三島からこられました。三島からなぜわざわざこの田舎の寺にこられたかを聞くにつれて、全国のいろいろな三十三観音霊場の一つがこの寺にもあったのを初めて知り、現在もこの寺で観音講の活動が行われている因縁が理解できました。この方は三島在住の木本和男氏で伊豆三十三観音霊場の巡礼道・整備保存の会を進めていて、この観音霊場の実態を調べていました。同じ三島市在住であったので、観音霊場のことを1時間ほど話をしあいました。1ケ月後に三島の自坊の祐泉寺に木本氏が伊豆・駿河の観音霊場の資料を2種類もってきてくれました。
 「伊豆中道三十三観音霊場」
     昭和63年11月 伊豆新聞社及び伊豆日々新聞社より毎日曜日連載
 「駿河・伊豆両国横道観音霊場」
     平成9年7月 三島市郷土資料館 企画展 

 木本氏も全国の有名な観音霊場の巡礼に行かれ、この身近な伊豆にも観音の巡礼ができたらとの思いからこの活動を思い立ったとのことでした。「中道観音霊場」の寺々の中には住職がいなかったり、その存在自体が忘れ去られている実態があり、この霊場を中心に新たに加えた「平成の伊豆巡礼道」を模索しているようでした。特に木本氏は巡礼場所での各寺での朱印を重要視されていて、たとえ都合で住職がいなくてもできるような朱印の方法の事も話されていました。
 9月、自分なりの『観音霊場』として、手始めに市内で観音様を本尊とする寺々を回られ、この祐泉寺にも寄られ、朱印されていきました。一部朱印をことわられた寺もあったようでしたが、これから体力が続く限り、下記の『中道観音霊場』を基に、三島・田方地区の実際に観音様を本尊とする寺々へ参拝しようと計画しているようでした。下記にその新観音巡礼を紹介したい。

@旧の観音古道を取り入れながら『平成の道』として整備する。起点を三島駅南側の浄土宗
 『長円寺』から天城湯ヶ島までの区間で観世音菩薩が祀られているお寺とした。
A今回は身近なお寺から回れるよう何番のお寺の名称はさけ、またどのお寺を自分の結願の寺
 にするかは巡礼者が朱印帳を工夫することで可能。
B無住寺院はないが、留守の場合や巡礼者の信仰上の心の問題もあり、三十六ケ寺とした。
 その中で、巡礼者自身が三十三観音寺院と番外寺と選択できるようにした。
C納経朱印帳は手作り
 ※『平成の保存会』より朱印帳の見本と朱印帳用印刷原本を各寺々に配布してあり、必要に
  応じて作れるようにしてある。

 完成した朱印帳が置いてある寺
   三島市      長円寺  連馨寺  林光寺  祐泉寺  開田院
   沼津市三津   来迎寺       大仁町   隋昌院


追記 3/17 伊豆観音巡礼『平成の道』のその後の進展
  11月上旬に木本和男氏が祐泉寺に4度目の来山、「平成の観音巡り」として三島から修善寺方面まで行き、自分で作られた朱印帳をもって回わわれ、各寺々の朱印を全部完成させました。本尊が観世音菩薩で、無住職(兼務寺)でない36ケ寺とし、その時々で入れ替えられるように考えたようで、従って巡礼順番などもないようでした。新観音霊場と命名すると従来からの霊場とのからみで、問題があるとの認識から「観音巡り」と統一したようです。観音古道等を含め『観音巡礼道を一本の糸』にすることを目標にしてきた木本氏は、この「伊豆の国 三十三観音巡礼・平成の道」をさらに引き続いて発展できるような篤志者があったらと呼びかけるとのことでした。
 伊豆国に関係のある前述の三つの三十三観音霊場では、伊豆横堂の半分は無住の観音霊場であり、比較的無住の少ない中道観音霊場でも6ケ寺もあり、まして日常観音様を本尊として毎日の供養(経)をしている寺院まで及ぶと限られた数になってしまうのではないか。平成の時代として各地で新巡礼道が起こりつつあり現在、この木本氏の『伊豆国 三十三観巡礼・平成の道』は一石を投じるものであろう。
 過日、木本氏より手紙(ファックス)が送られてきました。
 その一部を紹介したいと思います。

手作りの朱印帳20冊を市内数ケ寺に置き、また各寺々でもコピーできるよう原紙を置いてきました。現在は伊豆の国・観音巡礼『平成の道』があることを知らしめることです。町の老人会にはたらきかけるとか、伊豆箱根鉄道駅舎等にポスターなど・・・・・。2月27日には三島観光協会に手作りのポスターの展示を依頼してきました。略
                               平成15年3月3日

 資料提供等で私も協力はしてきましたが、ここまでの仕事はほとんど木本氏が一人で行動し進めてきたようです。各寺院でも『平成の観音道』への啓蒙については協力をえられたことは言っていましたが、この伊豆の国・三十三観音巡礼『平成』の道保存会の火は消したくないこと、啓蒙と管理面でできれば在家の方で自分と一緒になって活動してくれる人がいたらとの願いが書いてありました。
 興味・関心のある方、ボランティアやってもよい方等ありましたら上記保存会までご連絡して下さい。