数年前伊豆半島に上陸した超大型の台風の被害は各地で土砂くずれの被害をもたらしたがその中でもスギを植林した斜面の土砂災害は各地で起こった。龍泉寺の場合は強風によって墓地の外側のスギ10本前後が倒れてしまったが特に目立った被害はなかった。しかし墓地中央に残った残っていた樹齢80年、高さ約30m、根回り180cmのスギの枝が幹から裂けて墓地横に落下、参道をふさいでしまった。枝とはいえ直径15cmは長さ3mで高さ10mのところからの落下ですからかなりの衝撃で、墓石に当たら被害は甚大なものとなていたであろう。たった1本墓地中央に残されてしまったスギの大木、クレ−ン車もとどかず人間の手によって伐採することになった。寺役員の知り合いの業者に相談したところ下に墓地があるところからやぐらを組んでの伐採で、100万以上かかるとのことで伐採の件はしばらく検討することになっていたものである。
 ところが先週の30日(木)、以前より総代が伐採の件で相談していた業者が急遽このスギを伐採することになったがやぐらを組まずに二人のきこりで切り倒すことになった。午後からはじめたのですが、根元の周りに囲いをし、枝と最上部の部分だけ伐採をして終わった。次の日はいよいよ幹の伐採にかかった。幹の上から2m位づつきり、最後は手で空き地に落下させること数回、最後の2本はロ−プで先端をしばり慎重に作業を行い、みごと墓と参道の狭い範囲に全て落下させた。スギの伐採の一部始終見ていた総代と私は最後の一番長い幹(4m位か)が倒れた時は思わず拍手、11時半には全て根元まで切り倒すことができました。
 後で業者さんに聞いたところ西浦の河内と重須の方で神社や寺、旅館等の狭い空間でも伐採してきたとのこと。二人とも70歳は超えており、木に登った方はなんと76歳でこの伐採を最後の仕事として終了したいといっていました。このようにやぐらも組まずに命綱一本で作業する方はこの近隣でいないではないかと思われました。
 根元から5mほどの太い幹は当日に処分してくれたので、残りの幹や枝の片付けを4月9日(日)檀家の役員さん8名でしました。併せて2年前に倒した大木の枝を燃やしたりして午前中作業をしてきれいに片付けることができました。

ホ−ム

住職雑感(最近の出来事) 平成18年

墓地中央に残った杉の大木を伐採 h18,4,3