「歴史的風致維持向上計画」は古い建築物や文化財などの歴史的資源やその周辺で、地域固有の活動が伝統的に継続している事例などに対して資源の補助・整備を国が補助するものである。認定される対象資源は従来、寺社や城跡などの建造物が一般的だったが、三島市の市街地の清流が認められる全国的に珍しいケースである。
同計画の認定件数はこれまで全国で56市町で静岡県では初めてである。
三島市は下記の四つの歴史的風致を計画に位置付けた。
1、地元住民の信仰や市民生活に根付いた市内各地の清流など
(源兵衛川、桜川、白滝公園、市立楽寿園の小浜池などの良好な趣を残す場所)
2、三島大社の例大祭
3、地域信仰----「やっさ餅」「吉田さん」
4、箱根旧東海道にあたる集落に続く水神講の営み
静岡新聞 平成28年9月29日版
また、11月8日三島市の源兵衛川が国際かんがい排水委員会(ICID、本部インド)が建設から100年以上経過した歴史的価値の高い利水施設を登録する「世界かんがい施設遺産」に登録された。静岡県では深良用水(裾野市)に続いて2例目である。
源兵衛川は16世紀ごろに稲作の拡大に向け整備され、水深を浅くして水温の上昇を図るなど工夫された。1960年代に都市化の影響で環境が悪化したが、90年代に市政や行政が一体となって清流を復活させた。
世界かんがい施設遺産は農業の発展に貢献し、卓越した技術によって歴史や社会的価値を有する水路などを保全する目的で14年に創設された。 静岡新聞 平成28年11月9日版
三嶋地区数か所がユネスコジオパークに指定 j30,4,17
三島の「歴史的風致計画」 国認定 h28,10,3
三島・源兵衛川が「世界かんがい遺産」に登録 h28,11,9
白滝公園前の桜川にての灯篭流し
満水となった小浜池(市立楽寿園)
各種の祭りが実施される三島大社
市民の憩いの場所となっている源兵衛川の中流域